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第10章 花明～はなあかり～

　これまで穏やかな夜を過ごしてきたはずの国王と側妾が見せた、あの夜に限っての凄まじい破廉恥な痴態。恐らくは何があったかと色々と勘ぐっているのは確かで、殊に後宮という閉鎖された女ばかりの場所では、その手のー色事に拘わる話題は明け透けに語られる。しかも噂には日が経つにつれ、とんでもない尾ひれがつき、耳を覆いたくなるような下卑た話になるのが当たり前の世界だ。