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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第10章 花明~はなあかり~
 王子はこっくりと頷いた。



「雨」



 ソファはもう一度しゃがみ込み、王子の黒い瞳を覗き込んだ。




「花が育つには確かに水は必要ですが、雨も水ですから、雨降りの日に水やりは必要ないのです。私の申し上げることがお判りになりますか、王子さま」
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