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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第10章 花明~はなあかり~
 ソファは血の吹き出す指を舐め、懐剣を元通り鞘に収めた。耳飾りをチュモニにしまい、大切そうに指先で撫でるも、血が完全に止まっていなかったようだ。美しい布にポツリと小さな滲みができた。表面に刺繍された霞草の白い花びらに、鮮やかすぎる紅い滲みが付いている。
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