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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第10章 花明~はなあかり~
「お呼びでしょうか、淑媛さま」



 控えの間にいた尚宮が恭しく居室に入ってくる。



「この巾着を洗って貰えるかしら」



 うっかりと付けた血を落としたいのだと告げると、尚宮は巾着より女主人の方を気遣い色を失った。
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