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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 彼は額から流れ落ちる汗を無造作に手のひらで拭い、室に戻った。あまりの暑さに、扉は開け放したままにしておいた。




 再び文机に向かい書物を開いたのと、開いたままの扉から闖入者が現れたのはほぼ時を同じくしていた。
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