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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 彼が手を叩くと、いずこからともなく若い内官が現れる。彼がソファを召すときには必ず不寝番を務める内官である。この内官が彼の側を離れることはなかった。





 彼は内官に耳打ちした。これで、この娘は何とか無事に宮外に出られるはずだ。念のために、腕の立つ武官を護衛に付けて自宅まで送り届けるように命じておく。
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