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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌

その日、ソファは夕刻に王命を受け取った。いつものように大殿から内官が遣わされ、今夜、寝所に伺候せよという内容だ。王命を伝達した内官はのっぺりとした中性的な風貌の男で、〝王〟の信頼する若い内官ではなかった。ヒョルが夜伽を命じる夜、この中年の内官は必ず近侍している。その意味するところは一つしかない。むろん王命伝達はまったく別の内官が務めることもあるが、今夜に限ってヒョル付きの内官が寄越されたのも、ソファには天が味方をしてくれているように思えた。

