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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 尚宮はいつも派手やかな紅を差してはと勧めていた。ソファは何も知らない忠義者の尚宮に対して申し訳なさを感じずにはいられなかった。




 ただ、尚宮初め照陽閣の女官たちは、ソファの身元はおろか朝鮮国王が二人いるという機密を知らない。ソファが国王暗殺に拘わったからとて、彼女らが罰せられることはまずないはずである。
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