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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 王子の手にはムラサキカタバミが数輪、綺麗な紐で束ねられている。



「それから、これも」



 袖から取り出したのは、前にも見た紅蛍石(ピンクフローライト)のノリゲだった。



「今の私は幼すぎて、何の力もありません。淑媛さまにして差し上げられるのは、こんなことくらいしかないのです」
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