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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 王子は大粒の涙をポロポロと零した。




「私は王になります。今まで王になりたいとは思いませんでした。王座なんて窮屈なだけだし、良いことは何もないと思っていました。でも、王になれば力を得られます。力さえあれば、淑媛さまを救って差し上げられるでしょう。私が王になれば、必ず救って差し上げます。だから、必ず、その日まで、お元気でいて下さい」
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