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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第3章 宿命
わずかな寄進しかできなかったけれど、寺の住職は何も聞かずに供養を引き受けてくれた。ソファの思い詰めた様子から、よほどの事情があると察してくれたのかもしれない。
遺骨代わりの品を寺に納めたことで、ソファの心は幾ばくかでも軽くなった。むろん、これで十分だとは思わないが、今のソファの状況ではこれが精一杯なのだ。いずれ余裕ができたら、改めて観玉寺の広大な墓地の一角にせめて両親の墓石なりとも建てたいー、それが彼女の生きる意味の一つともなった。
遺骨代わりの品を寺に納めたことで、ソファの心は幾ばくかでも軽くなった。むろん、これで十分だとは思わないが、今のソファの状況ではこれが精一杯なのだ。いずれ余裕ができたら、改めて観玉寺の広大な墓地の一角にせめて両親の墓石なりとも建てたいー、それが彼女の生きる意味の一つともなった。