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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 思い出す。宮仕えして初めて見た夕陽に輝く大殿の大屋根を。黄昏刻の残照が壮麗な瓦を茜色に染めていた。何とも美しい眺めだとしばし立ち止まって見惚れていたほどだった。
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