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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 今、今日に別離を告げる日輪と同じように、この世と決別するソファの眼にはやはり黄金色に染まった殿舎は哀しい眺めのようにしか見えなかった。




 眼を瞑り、器を口に当て、ひと息に流し込む。一瞬の後、カッと喉から胃の腑にかけて灼けるような感覚が起こった。ソファは手のひらで胸を押さえた。
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