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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 あの男が優しく微笑んで待っている。



 急がなくては、あの方の許へ。ああ、これでやっと最愛の男の許へゆける。何と幸せなことだろう。



 ソファは黄尚宮の腕の中で静かに息を引き取った。固く眼を閉じたソファの眼から、つうっと涙の雫が糸を引いて流れ落ちた。
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