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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 王子は淑媛の血を吸った手巾を頬に押し当て、眼を固く瞑った。




ー許して下さい。私は幼すぎて、何の力も持たず、あなたを救えませんでした。




 ひっくとしゃくり上げ、彼は手巾を握りしめた。したたり落ちる大粒の涙が血染めの手巾を新たに濡らす。
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