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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第16章 雪の日の客人
 それは怖ろしいものだった。一匹の美しい龍が苦悶にのたうち回っている。しかも、龍は鋭い矢に片眼を深々と射貫かれていた。




 とても綺麗な龍だった。青磁色の淡い緑の体躯に、瞳は薄青い天色(あまいろ)、利口かつ穏やかそうな丸い形をしている。でも、矢に傷めつけられた方は真っ赤な血の色をしていた。
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