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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第16章 雪の日の客人
「ー」



 明華は一旦うつむき、また顔を上げた。



「わざわざ悪天候の中をお運び戴き申し訳ないのですが、私には何も観えませんでした」




 男の端麗な面には、何の変化もなかった。ただ透徹な瞳が明華を見つめているだけだ。
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