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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第16章 雪の日の客人
 ヨンが明るい声音で言い、明華も言った。



「そうですね。折角、都中の人が愉しみにしているお祭ですから」




 つるべ落としの冬の太陽は、とっくに暮れている。漆黒の闇夜に煌々と点る提灯が映えている。幾つもの灯りが冬の闇にぼんやりとにじみ出し、何ともいえない幻想的な風景を作り上げている。
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