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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第17章 王と女官
 口早に告げるや、彼は明華から離れ急ぎ足で立ち去った。殿舎と殿舎の物陰で立ち話していたゆえ、恐らくは誰にも見られてはないはずだ。なのに、物陰から出るときは幾度も周囲を見回していた。もどかしいほどの用心深さだった。
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