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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第17章 王と女官
「ーごめん、待ったか?」




 寒さも雪も一瞬忘れ果て椿に魅入っていると、背後から声をかけられた。




 明華は今日もムスリのお仕着せ姿である。振り向くと、紅い龍袍を纏ったヨンが闇の中にひっそりと立っていた。
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