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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第17章 王と女官
明華が微笑んだ。
「そのときから、殿下は淑媛さまをお母君として慕われるようになったんですね」
「そうだ。普通、七歳の子どもが大真面目に求婚したら、大抵は愕くか、面白がるかといったところだろうが、あの方は私を対等に扱い、心から嬉しいと言ってくれた、明華、どれだけ言葉で取り繕ったとしても、本音は隠せるものではない。あの日、淑媛さまの言葉からは真が伝わってきた。そなたの申す通り、その日から、私はあの方を母と呼ぶようになった」