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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第17章 王と女官
「世間知らずなのではない。あの椿を見てみなさい」




 ヨンが指した方には、月の光に照らされ、白い椿が揺れていた。




「例えるなら、今のそなたは、あの椿と同じだ。まだ何の色にも染まらぬ、純白だ。されど、あの椿もやがて大人になり、あでやかな色に染め上がる日が来る。そなたも花開くまで、誰にも、その身を触れさせず汚されることがないように気をつけねばならないよ」
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