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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第17章 王と女官
「あれから五年、私も少し王として成長した。更に、大王大妃の権力欲はますます果てなく強まり、王を蔑ろにしたふるまいは眼に余っている。つまり、あの方は自分で自身の首を絞めてきたというわけだ。私は享楽に耽る暗愚な王だとさんざんな言われ様だが、その実、朝廷には私の本心を知る者はいる。更に、全州にいるジュンシンはこの五年というもの、各地に散らばる志を同じくする者たちとつなぎを取り、大王大妃に対抗すべき力を蓄えてきた。彼らがひと度声を上げ、ジュンシンたちと私が協力すれば、今の大王大妃などひとたまりもないだろう」