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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第18章 清浄の音~未来へ
大王大妃が両手を眼の前にかざし、桜色に染まった爪を見ながら言う。
「大昔、どうにも我慢ならぬ女がいた。主上(チユサン)の寵を得たのを良いことに、良い気になりおって、この私に身の程知らずにも駆け引きを仕掛けてきたのだ。今、思い返しても腸(はらわた)が煮え繰り返る。いかにも善人面をしおって、生意気にもこの私に楯突くとは片腹痛い。虫も殺さぬ風情でありながら、年若い主上を意のままに操った女狐のような女であった」