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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第4章 接近
 ソファの腋から背筋にかけて嫌な汗が流れたのは、何も六月昼下がりの陽気のせいだけではなかった。




 彼女は胸にそっと手を当てる。その箇所には、母から与えられた懐剣が常に忍ばせてある。母から与えられた懐剣で、父母の敵を討つ。これほどに完璧な復讐はないように思えた。
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