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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第21章 本日も晴天なり
「明華、亡くなったあの妓と私は幼なじみでもあったの。二人とも、月岑楼に売られてきたときはまだ十一と八つだった。大人しい張月は姐さんや歳の近い禿(かむろ)仲間から虐められてね。その度にあたしが庇ってあげて、仲良くなった。心根の綺麗な、苦界には勿体ないような良い妓だったわ。禿時代から、皆が嫌がる厠掃除を進んでやるような娘なの。どうして、張月があんな風に突然、死ななければならなかったのか、どうしても知りたい」