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第24章 花の褥

　文善君が思い出すような表情で言った。




「不思議な娘でした。とても良い瞳をしていましたね。理知の光とでもいうのか、吸い込まれそうな深い双眸をしている。失礼ながら、他のお妃さま方に比べて、美しさで勝るわけでもない。確かに綺麗な娘ではありますが、あの程度なら、後宮の女官にもいるでしょう。ですが、私には判りましたよ。殿下はあの娘の瞳の輝きに魅せられたのでしょうね」