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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第24章 花の褥
 明華は、やるせない気持ちで桜を見上げた。既に半分ほど花を落とした大樹の枝越しには、澄み渡った初夏の青空が見渡せた。



 明華は足下の花びらをそっと手のひらに掬い上げ、ふうっと吐息をかける。



 ひらひらと、桜貝を思わせる花びらが空(くう)に舞った。
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