この作品は18歳未満閲覧禁止です
月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第28章 騒動(トラブル)
彼女が新鮮に思え、初めて寝所に召して以来、割と頻繁に夜伽をさせた。彼女はいつも無口で、そんなところも彼には好都合だった。
今まで自分は彼女がただ寡黙なだけだと思っていたが、真実はどうだったのか? いつもおどおどと彼と眼を合わせないようにしていたのは、国王にその存在を認められるのを避けているようでもあった。他の妃たちとまるで違っていたのは、慎ましいだけではなく、ただ王の寵愛を受けたくなかったからではないか。