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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第32章 罪と恋
 殿舎を忍び出て、庭園までの道をひた走った。




 庭園を抜ける小道をかなり歩いた頃、漸く目当ての四阿が見えてくる。ふと空を見上げると、今夜は小望月(こもちづき・十四夜)だった。ほぼ完璧に満ちた月が紫紺の空に昇っている。
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