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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第32章 罪と恋
何を考えているのか、キム淑儀は応えない。
楊内官の激白は続く。
「あのときは、他にやりようがなかったことは、お前も知っているだろう。まさかハンスが夜な夜な俺が部屋を抜け出してることに気づいているとは考えもしなかった。気づいたとしても、普通、真夜中に俺の後をつけてくると思うか? ここで逢っているところなら、まだごまかしようもあった。だが、お前の寝所に忍び込むのを見られた時点で、もう、あいつの口を塞ぐしかなかったんだ」