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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第36章 予感
 彼女は庭を横切り、母屋へと入ってゆく。明華は待つともなしに薄紅の白百合を眺めていた。今日も五月半ば過ぎの陽光は眩しく、昼前だというのに初夏並みの陽気である。心なしか百合の花も少し元気がないように見えた。
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