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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第36章 予感

令嬢の動きが止まった。明華は懸命に続けた。
「義禁府の牢にいる宗俊さまに面会してきたわ。何度も酷い拷問にかけられて、かなり弱っているみたいだった。なのに、彼はいまだにあなたのことを女神さまか何かのように大切に思って崇拝しているのね。あなたのせいでやってもいない罪を問われて死の危機にさえ直面しているというのに、穏やかに笑っていたわ。毎月、あなたに会って他愛ない話をするのが至福のひとときだと幸せそうに話していた。こんなことはあまり言いたくはないけど、もうどこかで自分はこのまま処刑されるのだと諦めているようだった」
「義禁府の牢にいる宗俊さまに面会してきたわ。何度も酷い拷問にかけられて、かなり弱っているみたいだった。なのに、彼はいまだにあなたのことを女神さまか何かのように大切に思って崇拝しているのね。あなたのせいでやってもいない罪を問われて死の危機にさえ直面しているというのに、穏やかに笑っていたわ。毎月、あなたに会って他愛ない話をするのが至福のひとときだと幸せそうに話していた。こんなことはあまり言いたくはないけど、もうどこかで自分はこのまま処刑されるのだと諦めているようだった」

