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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第36章 予感
 漸く花水楼に辿り着いた頃、明華は汗だくになっていた。袖から清潔な手巾を取り出し、額の汗を拭う。入り口から入ると、一階は広い食堂のようになっている。かなりの空間に円卓が余裕をもって配置され、男たちが談笑している傍らには艶やかな妓生(おんな)たちがそれぞれ愛想を振りまいていた。
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