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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第36章 予感
 妓生たちは客が自分たちの存在を忘れ、ふいに現れた少女に眼を奪われているのが気に入らない。中にはさりげなく客の太股をつねったり、足を踏んづけたりする妓生もいた。




 明華は自分に向けられる男たちの視線に気づくはずもなく、近づいてきた妓生の一人に声を掛けた。
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