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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第36章 予感
 令嬢が参詣した日、宗俊と令嬢はよく金宝樹の下で立ち話をしていたそうだ。令嬢が二人の想い出の場所でもある樹下で生命を絶ったのも、彼女なりの拘りがあったのか。今日、紅い穂状の花を付けた樹は、静かにすべてを見下ろしている。七日前、ここが令嬢のおびただしい血で染まったのが嘘のようだった。
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