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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第40章 空を見上げて
 その日は朝から明華の気分は晴れなかった。お天道さまも明華の心を写し取ったかのように、鈍色の雲が重なり低く垂れ込めている。今にも泣き出しそうな空を見ていると、余計に心にまで灰色の雨雲が立ちこめそうで、明華は、その日、珍しく仕事を休んだ。常連さんも含め、自分の観相を必要とする人がいるかもしれないと、滅多なことで仕事は休まない主義である。
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