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第5章 想合（おもいあう）

　端麗な横顔は、どこか淋しげだ。




「実のところ、俺はこれまでに何度も下町に来ていた。俺は民たちが生き生きと暮らしている様を見るのが好きでな、下町に来る度に、俺の国の、俺の民たちは幸せなんだ。こんなにも輝いていると自分までが歓びに満たされていた。だが、俺が見ていたのは、ほんの上辺にすぎないと、あの日、現実を知ることになった」