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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第41章 宿命の恋人たち
いきなりの怒声に、王は気圧されたように大王大妃を見た。
「主上、私もこの国の民であり、あなたの臣下であることに変わりはないのですよ。民として臣下として望むのは、傍系の王ではない。我が息子は王妃にも早々と先立たれ、本人も病弱で、ついに子をなすことはできませんでした。さりながら、あなたは違う。どこから見ても健やかそのものではありませんか。今度こそ、直系の王子に王位を継いで欲しいーそれが朝鮮全土の民の願いだと何故、判らないのですか!」
「主上、私もこの国の民であり、あなたの臣下であることに変わりはないのですよ。民として臣下として望むのは、傍系の王ではない。我が息子は王妃にも早々と先立たれ、本人も病弱で、ついに子をなすことはできませんでした。さりながら、あなたは違う。どこから見ても健やかそのものではありませんか。今度こそ、直系の王子に王位を継いで欲しいーそれが朝鮮全土の民の願いだと何故、判らないのですか!」