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第41章 宿命の恋人たち

　ヨ内官は応えない。大王大妃は焦れたように続けた。



「もしや、後宮の女官なのか？」　



　ひとしきり後、ヨ内官が漸く面を上げ、射貫くような漆黒の瞳で大王大妃を見上げた。内官長とはいえ、所詮は去勢した宦官であり、大王大妃からすれば、取るに足らない存在のはずだ。しかし、何故か、この男に見つめられた瞬間、ゾワリと背筋が冷えた。