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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第5章 想合(おもいあう)
 王がソファを切なげな眼差しで見た。




「民たちの現実を知り、何とかしたいと願っても、俺には力がないから何もできないんだ」




 どういう意味だろうか。廷臣たちが王を差し置いて、勝手に政治を行っているということなのか? だが、今の領議政を初め、朝廷の重鎮たちは忠臣でもない代わりに、特に政治を私して専横を極めているとは聞かない。
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