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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第45章 運命の夜
 彼の指は下履きの隙間からスルリと忍び込み、繊細な花びらが幾重にも折り重なる場所に触れた。



「ーっ」



 明華の身体がビクリと揺れるのにも頓着せず、彼は空いた片方で上衣の前結びになった紐を解いた。シュルリと絹が解(ほど)ける音が夜陰に妖しく響き渡る。
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