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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第46章 相克
 彼は呟き、どこか遠い瞳で語った。



「母上は庶子だったと話したろう?」


 宜佑が確認するように見つめるので、明華は軽く頷いた。



「母の母、つまり俺の母方の祖母は旅芸人の座員だった。朝鮮中を巡業して回る結構大きな一座でな、ある日、漢陽で興行中にとある両班の屋敷に呼ばれた」
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