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第47章 迷宮

　側室たちの棲まう殿舎が立ち並ぶ一角に差し掛かった。ここを通りかかる度、明華は何とはなしに、もやもやとした気分になる。



　原因は判っていた。この煌びやかな殿舎に暮らすのは、ヨンの妃たちだからだ。




　つい溜息が洩れていた。彼の求婚を受けられない我が身が王妃になることはない。下町で観相師の仕事をしながら、時折、彼が訪ねてきてくれるのを待つ。