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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第47章 迷宮
 いきなり細い指先で顎を掴まれ、グッと仰のけられた。鋭い光を放つ双眸が睥睨していた。まるで抜き身の刃を喉許に当てられているかのような、心許ない心持ちになる。




 あまりの暴挙ではあったが、国王の側室であれば逆らいようもない。険のある眼許を除けば、美しい女人であった。柳のように細い眉は整えたものではなく、生来のものだろう。
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