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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第47章 迷宮
「へ?」



 沈尚宮が恐る恐る大王大妃を見た。主君の眼(まなこ)は寒々とした真冬の夜のように冷えている。久々に見る眼だ。


「知れたこと、あの狐顔の張貴人のことよ」


 吐き捨てるように言い、大王大妃は溜息をついた。


「そなたは例の噂を気にしておったな」
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