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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第48章 永遠
あの科白は、明華の心に暗い陰を落としていた。宜佑とヨンは最初こそ烈しい衝突を繰り返したものの、今は百年来の友のように親交を深めている。
だからこそ今、宜佑に訊ねてみたかった。
宜佑は軽く眼を閉じ、考え込むような表情だ。明華は急かすことなく、彼が話し出すのを待った。
かなりの時間が流れた。やはり、この質問はまだするべきではなかった。彼の朝鮮に対する感情はあまりにも複雑過ぎて、言葉として形にするにはまだまだ時間が足りないのだ。