パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 始まりはまるで最悪のドラマのように

　五歳で祖母に引き取られたときから、美奈恵は常に座右の銘としてきた言葉がある。
―私は両親と同じ轍は踏まない。
　若さゆえの激情に任せ、愚かな破滅への道をひた走るなんて真っ平ご免だ。誰もに認められ、祝福された結婚、人生を歩む。
　両親はどうだろう、自分たちは恋愛ドラマのヒロインとヒーローを地でいったと自己満足していたのかもしれないが、身勝手な若い二人の無分別がどれだけの人を傷つけ哀しませたのか。