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悪魔から愛されて
第21章 ライバル

「あ…あの…早乙女さん…契約の件は…どうなりますか…」

役員は少し焦り気味のようだ…

「今回の契約は…無かった事にしてください。」

「…っえ…」

「こんな時間に、女性が閉じ込められている会社と、取引はしたくありません…」

「そ…そんな…」

「では…条件があります。この女性を閉じ込めた犯人を罰してください。契約はその後ですね…」

その言葉を残すと、早乙女さんは自分の上着を脱いで、私に被せた。
私を抱きしめるように部屋から出してくれた…
「鈴木さん、もう大丈夫だよ…寒かったでしょ…」


早乙女さんの温かい腕の中で、涙が止まらない…

…私…助かったんだ…


私は早乙女さんの車に乗せられた。
「鈴木さん、大変だけど…もう一箇所、行かなくちゃいけないんだ…」

「…もう一箇所?ですか?」

「…うん、龍崎の所」

「龍崎さんが…どうかしたんですか!」

「行けばわかるよ。」



私は、高級なホテルのロビーに到着していた。
「…ここの7階、スイートルームだよ…」

部屋の前に到着した早乙女さんは、鍵がかかっているドアに手を当てた。
…すると…ドアのロックが開く音がする…

「さぁ…入るよ!」


中に入ると…


ベットに力なく座る龍崎さんが居た。


「…圭吾!」


その横には、柳原麗美がいた…。
柳原は、私たちを驚いたように見たが、すぐに笑みを浮かべた…

「あら…鈴木さん…もう龍崎部長からそのイケメンさんに乗り換えたの?
まあ…龍崎部長は、私の方が良いみたいだけどね…」

柳原は龍崎さんに抱き着くと、口づけをした…
その口づけに応えるように、柳原を抱きしめた…

「…愛してる…恵美…」

龍崎さんは、私の名前を…
目の前の柳原と私を間違えている…?

「け…圭吾!!いや…やめて…」

早乙女さんは、柳原を龍崎さんから引き離すように突き飛ばした…

私は龍崎さんに抱き着くが、ぼんやりして反応がない…


「圭吾…圭吾…しっかりして…」



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