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不倫研究サークル
第8章 ふりだしに戻って
小梢を送った後、部屋へ戻った僕は土門華子の日記をあらためて読みなおしてみた。
********************
xxxx年xx月xx日
今日、森岡君が一緒に勉強しないか?
と誘ってくれた。
一緒にと言っても、森岡君が私に教えてくれるので、
森岡君には負担でしかないはずだ。
どうして?
どうして森岡君は私なんかに優しくしてくれるだろう?
私は今まで、ブスだし、太っているし、運動できないし、勉強もできない。
神様まで私にイジワルしていると思っていた。
だけど、森岡君に会わせてくれた。
私は単純だ。
神様ありがとうと思ってしまった。
********************
◆
僕に会えたことで神様に感謝するなんて……、
少し優しくされただけで、僕の事を好きになるなんて……、
土門華子のたった14年の人生は、何だったんだろう?
この日記を、暗記するまで読んだ小梢は、どんな気持ちで今日までの五年間を過ごしてきたのだろう?
小梢は、この重い荷物を背負って生きてきたんだ。
とても『土門さんの事なんて忘れて僕と付き合ってくれ』なんて言えない。
(土門さん……、これは小梢への復讐なの?)
(だとしたら、お願いします)
(小梢を許してください)
無力、無力、無力……。
僕は、自分の無力さが悔しかった。
小梢の苦しみを何とかできないだろうか?
日記のページをめくった。
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xxxx年xx月xx日
今日、森岡君が一緒に勉強しないか?
と誘ってくれた。
一緒にと言っても、森岡君が私に教えてくれるので、
森岡君には負担でしかないはずだ。
どうして?
どうして森岡君は私なんかに優しくしてくれるだろう?
私は今まで、ブスだし、太っているし、運動できないし、勉強もできない。
神様まで私にイジワルしていると思っていた。
だけど、森岡君に会わせてくれた。
私は単純だ。
神様ありがとうと思ってしまった。
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僕に会えたことで神様に感謝するなんて……、
少し優しくされただけで、僕の事を好きになるなんて……、
土門華子のたった14年の人生は、何だったんだろう?
この日記を、暗記するまで読んだ小梢は、どんな気持ちで今日までの五年間を過ごしてきたのだろう?
小梢は、この重い荷物を背負って生きてきたんだ。
とても『土門さんの事なんて忘れて僕と付き合ってくれ』なんて言えない。
(土門さん……、これは小梢への復讐なの?)
(だとしたら、お願いします)
(小梢を許してください)
無力、無力、無力……。
僕は、自分の無力さが悔しかった。
小梢の苦しみを何とかできないだろうか?
日記のページをめくった。